工業化の波に追われる夫婦の故郷への愛惜を綴る叙情詩。瀬戸内の島で暮らしてきた夫婦が繁栄の谷間に取り残された故郷を去るまでを、時代背景も浮き彫りにした映画詩。 絵画のように島々が浮かぶ瀬戸内海。 島に住む精一、民子の夫婦は石船と呼ばれている小さな木造船で石を運び生活の糧としていた。 大資本家が大型船を使うこの時世に、小さな石船に執着するのは無駄だといわれても、この生活に深い愛着のある二人だった。 しかし船のエンジンの不調、広島の工場で働かないかという義弟の勧め、見通しのつかない船の修理などで、次第にこの故郷を離れる決心を迫られる精一。 彼方の巨大なコンビナートが精一の心に重い影を落とす。 工場を見学した帰り、友人の松下のもとに寄った精一は重大な決断を迫られることになる。 (C)松竹株式会社