ヘッド・アバブ・ウォーター ～オリンピックへの覚悟～

オーストラリアでは、国民の血に水が通うほど水泳が深く浸透している。2021年開催の東京オリンピックに期待が高まる中、オーストラリアの精鋭選手たちの人生や競泳オリンピアンとはどういうことか、その真意を目の当たりにする。取り上げるのは、競泳人生の異なる局面にいるオーストラリアの逸材４人。優勝に燃える前回のオリンピック金メダリスト、カイル・チャルマース。２度オリンピック出場を果たし、輝かしい成績で引退を迎えるべく歩み続けるブロンテ・キャンベル。キャリアを競泳の舞台へと変更し限界に挑む若きスター、コーディー・シンプソン。ラストは、水の外から競泳の世界をナビゲートしてくれるオリンピックの英雄でありメンターのイアン・ソープ。

東京オリンピックが近づくにつれ激しさが増していくトレーニングだが、選手たちは人との繋がりがない中、個人の力で大会までの道を進み始める。ブロンテ・キャンベルが一人でトレーニングと怪我の経過観察を行う一方、カイル・チャルマースは肩の怪我によりオリンピックへの道に大きな壁が立ちはだかる。若かったころの苦悩を赤裸々に語るイアン・ソープ。一方で、若手のコーディー・シンプソンは猛烈にトレーニングに打ち込む。

差し迫る大会に緊張感が増していく。カイル・チャルマースは肩の怪我による痛みと闘い続けながらも、自分を追い込み覚悟を見せる。ブロンテ・キャンベルが幼少期を語る中、覇者イアン・ソープはメンタル面の問題を明かし引退後の生活について見解を語る。さらに、ゲイのアスリートと公言するまでに立ちはだかった多くの要因を打ち明ける。一方、コーディーはオリンピックの夢を追い求めるがゆえの犠牲について語る。オリンピック代表選考会が近づく中、オーストラリア代表チームが集結し東京オリンピックへ向けた準備の第一局面、代表合宿を開始する。

行動が制限されてから１年、競泳のコミュニティが代表合宿に集結し競争心を燃やす。トップの順位を目指す選手たちの長期にわたるトレーニングと努力が試されるのだ。怪我と闘い続けるカイル・チャルマースとブロンテ・キャンベルは厳しい選択を迫られる。一方、コーディーはオリンピック代表選考会の枠を勝ち取るべくレベルアップを続ける。