パリ郊外、羽振りのよい大麻密輸業者ムーサ･ジェブリは、輸送中の商品を不正薬物取引中央総局（ＯＣＲＴＩＳ）に押収される。彼の失敗に家族も巻き込まれ、ムーサの弟で、家業とは距離を置いてきた優秀な学生ドリスもしわ寄せを受ける。ジェブリ兄弟に立ちはだかるのは新入りの若い警官ウィリアム。彼は警官としてのあるべき姿を身をもって学んでいく。

ムーサの逮捕を受け、彼の地元で暴動が起きる。ウィリアムは自分の失敗に気づき、同僚の信頼を取り戻そうとする。ドリスは兄の仕事仲間から金を返せと脅され、解決のために幼なじみを頼る。刑務所では、ムーサが旧知の男と対決を強いられる。

ウィリアムは情報提供者にだまされたことを相棒のタズに打ち明ける。２人は情報提供者を尾行し、ドリスにたどり着く。学生のドリスは強盗で手に入れたコカインを売りさばくためパーティーで麻薬取引を始めるが、恋人のイネスに疑惑の目を向けられる。

ジェブリ家は、リフ地方で大麻を栽培するおじたちの信頼を回復すべくモロッコへ向かう。ウィリアムとＯＣＲＴＩＳのボス、ラシュトンがジェブリ家のあとを追う。だが政治的な問題が、警察、麻薬業者双方の前に立ちはだかる。

大使臨席のパーティーでの悲劇的事件を受け、ラシュトンとウィリアムはフランスへの帰国を強いられる。ウィリアムはラシュトンに反抗し、ジェブリ家の動きを追い続けるべくモロッコに残る。ドリスはベナリへの復讐を誓い、おじたちを押しのけて一家の土地の支配権を握るが、立場を失ったおじたちの怒りを買ってしまう。

協力関係を結んだドリスとウィリアムは、それぞれの世界でのし上がっていく。麻薬捜査で活躍するウィリアムは、前代未聞の押収劇を次々に実現させ、他の警察機関から嫉妬される。ドリスは大麻市場を自分の商品で埋め尽くすようになるが、その一方で彼の顧客は一人また一人と姿を消していく。事情を知らないムーサは弟の驚異的な成功に疑念を抱く。

復讐のことしか頭にないドリスは、ついにベナリの居場所を突き止める。だがムーサからの情報提供をもとに税関がドリスの自宅に捜索に入る。立場の危うくなったラシュトンとウィリアムは保身に走ろうとし、ウィリアムはかつての協力相手を何としてでも逮捕しなくてはならない状況に追い込まれる。