Simeone. Living Match by Match

人生における情熱の全てをサッカーに注いできたディエゴ・パブロ・シメオネ。ラ・リーガ2020-21シーズンが開幕し、シメオネは監督として、アトレティコ・マドリードを優勝に導くべく采配を振るう。その舞台裏を追うと同時に、シメオネが現役時代にアルゼンチンからイタリアへと旅立った軌跡を、家族、友人、ライバルたちの言葉とともに振り返りながら、シメオネの人物像に迫る。

カルロス・ビラルド、ディエゴ・マラドーナ、シメオネ、そしてセビリアの町。新たな人々と環境に刺激を受けて、当時セビージャに移籍したシメオネの人生とプレースタイルは大きく変化していった。一方、ラ・リーガ2020-21シーズン、アトレティコ・マドリードは、前半戦の勢いに陰りが見え始めていた。シメオネはシーズン初の敗北を経験。そんな時、彼を支えてくれるのは家族の優しさだった。

1998年FIFAワールドカップ、アルゼンチン対イングランドの試合中、シメオネはデビッド・ベッカムと接触。ベッカムの華やかなキャリアに影を落としたこの出来事を、シメオネとベッカムが振り返る。当時アトレティコ・マドリードで選手として活躍していたシメオネは、血気盛んな性格から攻撃的なプレーをすることも珍しくなかった。一方、2020-21シーズンの優勝争いは混戦が続き、監督としていかに選手のモチベーションを上げるかがシメオネの課題となっていた。

家族や友人に囲まれ51歳の誕生日を祝うシメオネ。一方、ラ・リーガでは、アトレティコは思うように勝ち点が伸びず、シーズン前半で下位チームと大きく引き離した差が縮まってきていた。そんな中、シメオネは、どんなに絶望的な状況でも勝利を信じ続けたラツィオ時代を思い出す。当時チームメートだったフアン･セバスティアン･ベロンとは、単なる友人ではなく、意見の相違がありながらも優勝という同じ目標を持つ戦友だった。

ディエゴ・パブロ・シメオネは息子３人を自宅に迎えて本音を語り合うひとときを設ける。息子たちは子供の頃に体験した両親の離婚、父親との別離、そして父親の再婚などについて、抱いてきた思いを正直に打ち明ける。シメオネが選手から監督へと転身した道のりは決して平たんなものではなかった。そして現在、ラ・リーガ2020-21シーズンの王者が決まるまで残り4試合。アトレティコが優勝するには１敗も許されない状況で、緊張はこの上なく高まっていた。

全てが決まるラ・リーガ2020-21シーズン最終節。シメオネは、アトレティコ・マドリードの監督として過ごしたこれまでの日々を振り返る。悲願の優勝を果たした決勝戦や、無念の敗北、ペップ・グアルディオラやジョゼ・モウリーニョら、因縁のライバルとの忘れがたい試合の数々。そして、ついに迎えた最終戦。家族が応援に駆けつけ、クラブ史上最多タイトル獲得の偉業を成し遂げようとするシメオネを見守る。